日本語は難しい?

 

日本語には、ひらがなカタカナ漢字そしてローマ字という表記方法があります。

 

これは、他の外国語にはない複雑な表記方法で、外国の方が日本語を学習することが困難になる要因とされています。

 

日本の子ども達も同じで、最初は「ひらがな」を学習しますが、次に「カタカナ」と「漢字」の学習が入ってきます。

 

漢字が複雑な表記であることは、同じ漢字が色々な読み方をするし、同じ読み方でも使い方によって、違う漢字を使う場合があることなどがあります。漢字の習得を難しくしている原因とされています。

 

更に送り仮名も複雑で、漢字の意味がわかっていても送り仮名の法則というのも理解することが難しいです。

 

また、漢字は音読み・訓読みと1つの漢字に様々な読み方があり、漢字が違えば意味も変わってきます。

 

熟語という漢字独特の使い方があり、熟語まで覚えていかなければいけません。

 

漢字だけでも、習得に困難な状況なのに、更に「ローマ字」という表記の仕方が入ってきます。

 

ローマ字の表記は他の表記と違う!

 

「ローマ字」というのは、英語と似ていますが、表記の仕方は全く違います

 

50音順に「ひらがな」「カタカナ」の表記に準じていますが、ここで初めて、1文字では表記できない問題と向き合わなければなりません。

 

母音(あ・い・う・え・お)の概念をまず学習します。

 

次に子音(か行・さ行・た行・な行・・・)というそれだけでは文字として認められていない文字を認識します。

 

例えば、「か」という文字は、「ひらがな」(か)「カタカナ」(カ)では1文字で表記しますが、「ローマ字」では「子音」「母音」KAと表記します。

 

「子音」「母音」という概念は、他の日本語の表記にはないものです。

(他は1文字で表記されます)

 

これがまず、子ども達の学習に混乱を引き起こします。

 

か行はKAKIKUKEKOと表記されますが、これは大文字での表記で、小文字になるとka,ki,ku,ke,koとなります。

 

「か行」の「K」は小文字も「k」ですので、形が似ているので覚えやすいかもしれません。

 

しかし、「た行」のTは小文字はtですし、「ら行」のRは小文字になるとrと全く似ていない文字になります。

 

子ども達は、「大文字」と「小文字」をセットで覚えなければなりません。

 

また、同じ「つ」でもTUTSUなど違う表記の仕方もあります。

 

更に、「つまる音」は「ひらがな」「カタカナ」では「っ」「ッ」小さな「つ」「ッ」を書けば全てつまる音になりました。

しかし、「ローマ字」では、「きって」はKITTE」「kitte]「カップ」はKAPPU」「kappu」と表記されます。

子音を2つ書く文字が、使うときによって変わってしまいます。

 

KITTE」ではTが2つ「KAPPU」ではPが2つ表記されます。

 

「ローマ字」では「ねじれる音」Yを入れて表記します。

 

「きゃく」はKYAKUと表記されます。

しかし、すべての「ねじれる音」がYを入れるわけではありません。

 

例えば、「きしゃ」はKISYAとなりますが、KISHAと表記される場合があります。

 

「ローマ字」では「のばす音」は「ひらがな」のように(「こか」など)母音を入れて表記するのではありません。

 

「カタカナ」のように(「チュリップ」など)「ー」の記号を使って表記するのでもありません。

 

「ローマ字」ではのような記号を「母音」の上に書いて表記します。

 

 「チョコレート」は「TYOKORÊTO」のEの上に記号を書きます。

 

このような表記の方法は今まで習った「ひらがな」「カタカナ」「漢字」などの文字には無かったものです。

 

どこに記号を書くのかも難しい問題です。

伸ばそうとする文字、上記の例では「レート」「RETO」のREのしかも「母音」「E」の上に書く決まりになっています。

 

この複雑な表記のルールが、子ども達を苦しめます。

 

『生きにくさ』を感じている子ども達の中には、「ローマ字」の表記の習得が得意な子どももいます、

彼らは、パソコンに幼い時から親しんでいるので、「ローマ字」を習う前に「ローマ字打ち」に慣れているのです。

 

しかし、多くの『生きにくさ』を感じている子ども達は、この複雑な表記の習得に困難を示しています。

 

英語の学習を嫌がる子どもも多くいますが、「ローマ字」も同じように、苦手だと思っています。

 

「ローマ字」を習得すると、「パソコンのローマ字打ち」ができる、「漢字を覚えていなくても『地名』などが読める」などメリットが多くあります。

 

苦手な子どもには、まず始めに「ローマ字のルール」を教えます。

 

ローマ字のルールを教えよう

 

1 ローマ字には大文字と小文字があること。

 

ローマ字に使われている文字の「大文字」と「小文字」をセットで覚えます。

 

形が似ている文字は覚えやすいですが、形が全然違う文字は難しいです。

 

形が違う文字を中心に、何度もマッチングをして練習を重ねます。

 

2 「子音」と「母音」があること

 

全ての文字が「子音」+「母音」で成り立っていることを学習します。

 

「子音」は行によって異なる文字が使われています。

 

「か行」はKk「さ行」はSs「た行」はTt・・・というように、全部の行と文字を覚えていきます。

「濁る音」についても、一緒に覚えていきます。

「が行」はGg「ざ行」はZz・・・というようにです。

 

3 「ねじれる音」は「子音」+Yy+「母音」で表記

 

「きゃ」「きゅ」「きょ」など「ねじれる音」はKYA」「KYU」「KYOで表記されることを覚えます。

 

K」と「A」の間にYを入れると教えると覚えやすいかもしれません。

 

原則は「Y」ですが、「さ行」ではHを入れる場合があります。

 

「しゃ」はSYAでもSHAでも「しゃ」になります。

 

4 「つまる音」は「つまる音の子音」を2つ書く

 

「きって」は「KITTE」のように「つまる音」の子音Tを2つ書きます。

 

「きっぷ」だと「KIPPU」と「つまる音」の子音Pを2つ書きます。

 

「ちょっき」のように「ねじれてつまる音」TYOKKITYO「ちょ」、つまる音「っき」の子音K』を2つ重ねてKKIと書きます。

 

つまる音の場合は、子音がその時によって異なるため、どれを2つ書くのか難しいですが、「っ」の後の子音が重なる文字です。

 

「がっき」は「GAKKI」のように「っき」の部分をみてKI」の子音「K」を2つ重ねます。

このような複雑なルールを子ども達にゆっくり教えていく必要がありますが、現状では授業時間数の関係で難しいです。

 

5 「のばす音」はの記号をのばす文字の母音の上に書く

 

ローマ字で「のばす音」は母音の上に書きます。

 

「カッター」をローマ字で書くとKATTÂAの上にマークを書きます。

 

「ねじれてつまってのばす音」「シャッター」の場合はSYATTÂと表記します。

 

6 「ん」の書き方は「N」が原則

 

「かん」はKANNを1つ書きます。

(パソコンのローマ字打ちではNを2回打ちますが、ローマ字表記ではNは1個です。)

 

ただし、つまる音の後の文字がB」「M」「Pの場合は、Mで表記します。

 

「なんば」は「NAMBA」と『N』ではなくMを使います。

 

「さんま」は「SAMMA」です。

 

このように様々なルールがありますので、最初にこれを抑えておく必要があります。

 

ゲームを使ってローマ字を習得しよう!

 

ローマ字カードを使って

 

「ローマ字カード」の大文字・小文字をマッチングするゲーム

 

「大文字」と「小文字」を覚えるために、マッチングをしていきます。

 

「大文字」カードと「小文字」カードを広げて、同じ文字を見つけていきます。

 

特に「R」と「r」「G」と「g」「D」と「d」「B」と「b」「H」と「h」など形が違っている文字や、小文字が似ている文字を中心に練習します。

 

「文字カード」と「絵カード」をマッチングするゲーム

 

始めに「絵カード」を見せて、何かを言えるようにします。

 

次に「絵カード」と「文字カード」を並べて、文字を読む練習をします。

 

その次は「文字カード」だけを見せて読む練習をします。

 

「文字カード」が読めるようになってから、絵カードを選ぶ練習をします。

 

「文字カード」と「絵カード」をマッチングします。

 

「文字カード」を並べます。(枚数は習熟度によって決める

 

「絵カード」は「文字カード」より少し多く並べます。

 

始めは「特殊音節」を含まない言葉を選んで行います。

 

慣れてきたら、「特殊音節」を含む言葉を加えていきます。

 

最終的には、「特殊音節」を複数含む言葉も入れてマッチングをしていきます。

 

「絵カード」を見て、「文字」を書いていく練習

 

ホワイトボードに「絵カード」を横に並べて貼ります。

 

2人1組で「絵カード」の下に「文字」をローマ字で書いていきます。

 

2人で相談しながら書いても良いです。

 

ローマ字を書く時に必要なら4線をホワイトボードに貼っておくと良いでしょう。

 

 

好きなものをローマ字で!

 

子どもの興味のある物や好きな物を題材にして、ローマ字を覚えると楽しく学習ができます。

例えば、キャラクターが好きな子どもには、キャラクターカードを作って、ローマ字カードとマッチングしたり、ローマ字を読んだり、慣れてきたらローマ字を書いたりして学習を進めていきます。

自分のよく知っているキャラクターなので、少し難しくても頑張って読めるようになります。

食べ物が好きなら、色々な食べ物のカードを作っていきます。

動物・乗り物・恐竜・地名・歴史上の人物・・・何でも教材の材料になります。

文字カードを作っていくうちに、濁る音やねじれる音、つまる音や伸ばす音など、特殊音節の書き方も習得していきます。

地図に興味がある子どもなら、全国の都道府県の名前をローマ字で地図の書き込んだり、路線図が好きな子どもなら、駅名をローマ字で書いたり・・・色々工夫して「苦手だな」から「面白い、読めるよ!」さらに「書けるようになったよ!」になっていってほしいと思います。

 

 

今回は「ローマ字」についてご紹介しました。

少しでも参考になったら幸いです。

ローマ字カード大文字と小文字

ローマ字カード2

ひらがなカタカナローマ字カード

ローマ字一覧表

ローマ字カード食べ物

 

郡山北小学校ことばの教室 中尾和人先生「教材倉庫」です

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