SSTの授業で使うワークシートについて

SSTでは、様々なやり方があるので、全くワークシートを使わない方法もあります

書くことが苦手な子どもにとっては、ワークシートを書くことが苦痛になる場合があります。

そこでまず、ワークシートを使わない方法をご紹介します。

 

ゲームや遊びの中で社会性を培っていく方法

ゲームや遊びの中で、次のような力が養われます。

みんなと一緒に遊ぶ:参加をすることができる。

ゲームや遊びのルールがわかって、なおかつ守ることができる。:自分勝手にルールを変えない。

友達と仲良く遊ぶ:喧嘩をしないで仲良く遊ぶことができる。トラブルを起こさない。

勝ち負けにこだわらない:負けた時も感情を爆発させない。

みんなで遊ぶものは共有する:独り占めにしないで、順番に使う。あるいは、譲り合って使う。

友達を不快にさせない:からかったり、意地悪をしたりして、友達に不快な思いをさせない。

ルールを守る 順番を守る 負けても怒らない」をキャッチフレーズに!

子ども達が遊んでいる姿を見ると、1人でポツンと教室の隅でうずくまっている子を見かける時があります。遊びの中に入れないのでしょうか?

いえいえ、本人に聞いてみると、一緒に遊びたくないそうです。

自分の好きな遊びではないし(風船バレーをしていました)

自分はここで図鑑を見ている方が楽しい

風船はいつ割れるか心配なので怖い

人とぶつかって怪我をするかもしれないから危ない

なるほどね!そんなこと思っていたんだ。

こういう子は最近多くなってきました。特に身体を動かす遊びを嫌う子です。

また、勝ち負けがハッキリするゲームも嫌います。負けたら悔しいから最初から入らないわけです。

このような子どもをどうやって参加させるか?難しいところです。

最初にルールを決めておく。

例えば「レインボータイムは全員参加です。嫌な遊びでも、チョッとだけでも参加しましょう」最低限見学はOKとしましょう。その代わり、「みんなの動きをよく見ておいて、上手にできた人を教えてください。」と言っておくと、人の動きをずーっと見ているのは退屈なのか大体ゲームに入ってくるケースが多いです。

ゲームのルールが理解できない

ゲームのルールを理解できていないとみんなが楽しめません。ルールを守らずに、自分で勝手なルールを作っていては、周りの友だちのひんしゅくを買うことになります。誰もそんな子とは一緒に遊びたくありません。

ルールは箇条書きにして、目に見えるところに貼っておく

耳から入る情報頭からすり抜けてしまう子どもがいます。そういう子どもには、ルールを書いた模造紙などを壁に貼っておきます。

最初にルールを音読させます。

理解できたかどうか確認します。

遊びの途中でルールを守っていなかったり、自分勝手なルールに変えたりした時は、ルール表を見せて、間違っていることを教えます。こうしたことを何回も重ねるうちにルールを守ることができるようになってきます。

ゲームや遊びの中で、様々な社会性が培われていきます。

しかしながら、これだけでは不十分こともあります。

 

発達段階によって指導方法は違う

ゲームや遊びの中で社会性を培っていくことも大事です。

特に小さい子ども(幼児や低学年の子ども)は理屈を言っても理解できないことが多いですので、実際に体験することが大切です。

しかし、大きくなって(中学年以上)いくと、それだけでは不十分な場合があります。

学校生活や家庭生活でトラブルを起こしたり、何かしら不適応を起こしたりしている子どもは、うまく対応できないことで苦しんでいます。「生きにくさ」を感じている場合が多いです。

「どうしてこうなってしまうんだろう。」と悩んでいても、解決策は見出せません。

先生や周りの人に怒られたり責められたりしても、何故怒られるのか理解できないので、理不尽な思いを抱いてしまうのです。

自分だけ怒られてばっかり」「自分は悪くないのに」「周りの人は自分の思いをわかってくれない」と思い、「自分はダメな人間だ」「自分なんか生まれてこなければ良かったんだ」「消えてしまいたい」とまで思いつめてしまう子どももいます。

何故うまくいかないのかを知ることが大切

大人から見ると「何をわけのわからないことを言っているの?明らかにあなたが悪いでしょう。」と言いたくなりませが、チョッと待ってください。

彼らは社会性を育てていないのです。色々な特性がありますが、ちゃんと習ってきていないのです。

未学習であると考えれば、教えてあげれば良いのです。

「そんなことあるのでしょうか?みんな習わなくてもちゃんとできています。当たり前のことでしょう。」と言うかもしれません。確かに当たり前とされていることが多いです。

でも、実際彼らは未学習で、それが原因で不適応を起こしているのですから、改善するには教える必要があります。それがSSTです。

SSTではどうやって社会性を伸ばしていくのでしょう?

「生きにくさ」を感じている子ども達は、生活の中で何かしらつまずいてきています。

人間関係でのトラブル、集団生活での不適応、コミュニケーションがうまくとれないことからくる不信感、感情のコントロールができないことで、暴言・暴力が出てしまい相手を傷つけたり、物を壊したりして問題行動を起こす・・・など自分が望んでいるわけではないのに、結果的に問題を引き起こしてしまい責められるのです。

それでは、どうやってSSTで社会性を育てていくのか

何故そういう状況になったのかを分析して、

何を教えていったら良いのか考えて

どうやって教えていったら良いのか計画して

適切な教材用意して、

学習を進めていきます。

教材の1つとして、ワークシートがあります

ワークシートは学習を進めていく上で、指針となるものです。

原因の追求問題のある場面を提示します(ロールプレイで示すとわかりやすいです)

問題点の分析:どこが問題なのかを考えます。(ワークシートを使って問題を整理します)

改善点を模索:どうすれば問題が起きなくなるのか改善する点考えたり話し合ったりします。

改善点の検証改善点が本当にうまくいくのかを、自分たちでロールプレイをして検証します。

改善案を練習:何通りかの場面で、改善した案を練習してみる。

活動の振り返り:活動を振り返ってわかったことを確認する。

 

例えば「言い方が悪くて誤解をされてしまう」子どもがいたとします。

原因の追求:言い方が悪い場面をスタッフがロールプレイで示す(消しゴムを借りる場面)

問題点の分析どうしてうまくいかなかったか考える(言い方がきつかった。命令口調だった)

改善点の模索:どうしたらうまくいった?(お願いするように言う。命令しない)

改善点の検証:改善した方法でやってみる(子供達同士でロールプレイをしてみる)感想を言う

改善案の練習:色々な場面を設定して、その時にどう言ったら良いのかを練習する。

活動の振り返り:言い方で相手の態度が変わることを理解し、「言い方に気をつけること」を確認する

 

ワークシートを活用して学習を進める利点

☆学習内容を整理できる(何が大切なのかを見ることができる)

☆考えた道筋が明確になる(自分の考えをまとめることができる)

☆後からワークシートを見て思い出すことができる(SSTのアイテムとして保存できる)

 

高学年になってくると

自分の得意なことは何か?

自分の苦手なことは何か?

自分はどんな人間なのか?

自分について知るようになってきます。周りの状況も少しずつ見えてくる時期でもあります。

自尊感情が高まっていないと、自己肯定感は低くなってしまいます。「自分はダメな人間だ」と思い込むようになります。失敗することが多いますます落ち込んでいきます。

自分の苦手なことを受けいれて、どうしたらうまくできるのかを考えて、実行できるようになると、失敗少なくなっていきます。

 

失敗を重ねて自尊感情がボロボロになる前にSSTを!

失敗をする前に、SSTで失敗をしないように学習を進めておくと、実際の場面で自力で乗り越えることができるようになるかもしれません。(絶対にできるかどうかはわかりませんが、可能性は高くなっていきます)

SSTの学習を進めていく1つの手助けがワークシートなのです!

いくつかのワークシートを添付しておきます。参考にしてください。

SST「言い方一つで変わること」

SST「嫌なことをされたらどうする?」

SST「困った時どうする?」

SST「時間の使い方は?」

SST「相手の意見と違ったら?」

ワークシートの構成

場面シート:問題の場面が書いてありますが、実際の授業ではスタッフがロールプレイで示します。

考えてみようシート:どこが問題なのか?改善策は?など、自分の考えを整理するワークシートです。

まとめシート:様々な場面でどうすれば良いのかを練習します。学習したことをまとめるワークシートです。

チャレンジシート:家でも実践できるように「ホームワーク」としてあります。次回までに実践して感想を報告します。

学習内容によっては、1枚だけのものもあります。

今回はSSTの授業で使うワークシートについてご紹介しました。

少しでも参考になれば幸いです。

ワークシートはオリジナルのものです。

無料なので、どんどん使っていただいても結構です。(アレンジして使ってもらっても良いです)

次回もSSTの教材をどんどん紹介していきますので、お楽しみに!

郡山北小学校の中尾先生のホームページです。教材の宝庫です。

http://www1.kcn.ne.jp/~nakao/menu.html