第1話 とらネコ先生 誕生秘話(前編)愛しのミューニャン

とらネコ先生が生まれるまで

とらネコ先生とレインボー塾の子供たちアイコン我が愛しのミューニャン!

1月の雪の降る夜中、私の愛するトラ猫「ミューニャン」が天国に旅立ちました。

ミューニャンは息子が学生の頃に公園で拾ってきた野良猫です。我が家に来た時にはまだ手のひらに乗るぐらいの小さな身体で、みゅーみゅーとか細い声で鳴いていました。

キジトラでマスカット色の大きな目をしていました。手足の肉球は黒く、好奇心いっぱいのヤンチャな雌猫です。抱かれることはあまり好きではありませんでしたが、私がソファーなどに座っているといつの間にか膝に乗ってくつろいでいました。

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我が家に来てからは、順調に成長してなんと!10キロを超える巨大猫になっていました。

家の中をドスドスと歩き、巨体で出来る範囲でジャンプをして棚の上の物を落としまくり、夜中には庭から脱出して夜のパトロールに出かける日々を過ごしていました。蝉やトカゲをお土産に持って帰ることもありました。網戸越しに友達ネコと会話を交わしている姿もよく見かけました。

もともと野良猫なのでか、警戒心が強く、知らない人(電気屋さんなど)が来ると、一目散に逃げてベッドの下やクローゼットに隠れているような臆病なところがありました。

そんなミューニャンも寄る年波(14歳)には勝てず、ヨボヨボと廊下を歩き、トイレに行くのもやっとの状態になってきました。昼間も寝ていることが多くなり、夜のパトロールにも出かけなくなってきたのです。

そしてとうとう雪の降る真夜中に、私の腕の中で静かに天国へと旅立ってしまいました。お気に入りのスヌーピーのぬいぐるみを抱きながら・・・

ペットロスという言葉がありますが、ミューニャンを失って心にポッカリ穴が空いたような日々が続きました。

何を見てもミューニャンを思い出してしまって、一緒に暮らした場面が一挙に溢れてきます。ミューニャンの好きだった食べ物やおもちゃが置いてあるスーパーマーケットのペットコーナーにも長い間入ることができませんでした。

私の身体に変化が!

私の愛するトラ猫「ミューニャン」が天国に旅立ってから1年が過ぎようとしていました。

毎日タンスの上のミューニャンの位牌に手を合わせ、今日も天国で元気に過ごしてくれていると信じて、なんとか自分を奮い立たせながら日々を過ごしていたある日。

私の身体に変化が現れたのです。

まず、耳がよく聞こえるようになってきました。というか聴こえすぎだろうと思えるほど敏感になったのです。特に金属音や大きな音には耐えられないようになってきました。外を歩く時も自動車のクラクションや物の落ちる音、ざわざわとした人の話し声など、いちいちビックリしてしまいます。耳を塞ぎたくなるような喧騒に苛立ちと恐怖を感じてしまう始末です。

次に、匂いにも敏感になってきました。大好きだったみかんなどの柑橘系の匂いには耐えられなくなってきました。人の集まる所の得体の知れない匂い(汗や体臭や柔軟剤などが混じったような匂い)にも辟易して、その場を離れるようになりました。

人との接触も辛いものになってきました。ハグをされると全身が痛み、思わず突き飛ばしてしまいそうになります。今まではなんともなかったのに、急に人と接触することが怖くなってしまいました。

 

そうこうしているうちに、手のひらや足の裏に肉球っぽい脂肪の固まりみたいなのができてきました。これは相当不便です。物を掴んだり投げたりする時に、肉球が邪魔をしてうまくできないのです。歩く時も肉球クッションの上を歩いているみたいでした。

もうお医者さんに見てもらった方が良いかな?と思っているうちに、夢の中にミューニャンが現れたのです。

ミューニャンは相変わらずポッチャリしたトラ猫でした。なんだか綺麗な草原のような所に居てネコ的にニッコリ笑っているようでした。

「レインボーばあば(これは私の呼び名です)久しぶりね!ズーッと愛してくれてありがとう。おかげで野良だった私が幸せなニャン生を送ることができたわ。お返しにレインボーばあばも猫にしてあげる。夜になったら猫になってるからね。『ミューニャンに会いたい』って思うだけで私に変身できるわよ。私の友達の猫たちにもちゃんと挨拶してね。長いことパトロールに行ってなかったからみんな心配してると思うの。人間に戻りたい時は「ダーリン」を思ってね。きっとちゃんと戻れると思うわよ。」

そんなああ!えーっ!私は思わず叫んでしまいました。

夢の中のミューニャンは大きくジャンプして空の雲の上に乗っています。いや違う!虹の上に飛び乗っているではありませんか!

とても夢とは思えないリアルさでした。(まさかそんなことがあるわけないよね)

とらネコ先生誕生秘話(後編)につづく

 

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