アサーショントレーニングって?

 

アサーションという言葉を聞いたことがありますか?

アサーションでは、自分の気持ちや、考え、信念等が正直に、率直にその場にふさわしい方法で表現されるコミュニケーションを目指しています。(日本精神技術研究所)

アサーションは、自分も相手も大事にして、主張をしっかり行うものの、相手を傷つけない絶妙なコミュニケーション方法です。

アサーションを直訳すると『自己主張』となりますが、自分の意見を押し通すのではなく、相手の気持ちや意見も考慮に入れて、なおかつ自分の意見を言うことです。

自己表現の3つのタイプ

人間関係における自己表現には3つのタイプがあります。(ウォルピ)

 

非主張的自己表現(ノンアサーティブ)

自分を後回しにして、自分よりも他者を優先する自己表現です。

漫画の「ドラえもん」でいうと、「のび太君」がこのタイプです。

 

攻撃的自己表現(アグレッシブ)

自分のことだけを考えて意見したり行動したりして、時には他者を踏みにじることにもなる自己表現です。

漫画の「ドラえもん」でいうと、「ジャイアン」がこのタイプです。

 

公平で中立的な自己表現(アサーティブ)

自分の意見をはっきり言うが、他者の立場や気持ちも考えて配慮することができる自己表現です。

漫画の「ドラえもん」でいうと、「シズカちゃん」がこのタイプです。

 

自分も相手も大切にするコミュニケーションの方法を学ぶアサーショントレーニング

 

アサーショントレーニングを行う上で、自分のタイプを知っておく方が良いと思います。

 

例えば、スーパーマーケットのレジで並んでいたとします。後ろから割り込んできた人がいました。あなたはどういう対応をしますか?

割り込みなど絶対許せないので、大声で怒鳴って後ろに行かせる。

2割り込まれたのは嫌だけど怖そうだし黙って前に行かせる

3「急いでいるのはわかりますが、今私はここに並んでいます。みんなも並んでいるので一緒に並んでください。」と言って並んでもらう。

 

あなたのタイプはどれですか?

1はジャイアンタイプです。(攻撃的)

2はのび太君タイプです(消極的)

3はシズカちゃんタイプです。(アサーティブ)

 

アサーティブなコミュニケーションを培うのが、アサーショントレーニングです。

自分は怒って怒鳴りやすいなと思ったら、怒鳴らないで相手に自分の思いや考えを伝える方法を考えます。

自分はどちらかというと、何も言えずに黙ってしまう方だなと思ったら、自分の思いや考えを相手にはっきり伝える方法を考えます。

 

SSTでアサーショントレーニングを!

 

SSTのテーマ 「言い方に気をつけよう」

 

1場面(ロールプレイを見る)

場面:消しゴムを忘れた時

シーン1:「おい消しゴムかせよ」と言って、消しゴムを奪う

シーン2:消しゴムを忘れて貸して欲しいけど言い出せなくて諦める。

 

2考えてみよう

シーン1とシーン2について感想を発表する。

 

「シーン1を見てどんなことを思った?」

「消しゴム貸せっていうのは命令しているみたい。」

「無理やり貸せって言われて嫌な感じがする。」

 

「シーン2を見てどんなことを思った?」

「借りたいのに何も言わないから、相手には伝わっていない。」

「借りたいなら貸してって言えば良いのにと思った。」

 

「どうすれば良かったと思う?」

「『消しゴム忘れたから、貸して。』と言えば良いと思う。」

「もし使ってたら、『使い終わったら貸して』と言えば良いと思う。」

 

話し方の3つのタイプ

話をする時に3つのタイプがあります。

ジャイアンタイプ:大声で怒鳴ったり命令したりする話し方

のび太君タイプ:モジモジして言いたいことを言えずにいる

シズカちゃんタイプ:相手のことも考えて自分の意見をはっきり言う話し方

 

「みんなはどのタイプが良いと思う?」

「シズカちゃんタイプが良いと思う」

 

3やってみよう

ロールプレイを子ども同士でやってみます。

A君が消しゴムを使っています。

B君は消しゴムを忘れたので、A君に借りたいと思っています。

B君はなんて言う?

2人1組でロールプレイをします。

 

どんな言い方をされたら、消しゴムを貸してあげようと思ったかを発表します。

 

4練習してみよう

様々な場面で、どういう言い方をすれば、相手が気持ちよく言い分を聞いてくれるかを考えます。

 

場面が書いてあるカードを見て、言い方を考えます。

1休み時間に遊んでいたボールを片付けて欲しい時

2読んでいる本を見せて欲しい時

3ノートの採点の列に割り込まれた時

4給食当番なのに遅れてしまった時

5理科の実験の時に自分にやらせて欲しい時

6掃除の時間に遊んでいる友達がいる時

 

5ゲームをしよう

色々な場面が書いてある場面カードを用意して、真ん中に山札として置きます。

2人1組でカードを引いて、場面を読みます。

2人で役割を決めて、ロールプレイをします。

見ている人は、良かったら「イイね👍カード」を出します。

何回かやって、「イイね👍カード」をたくさんもらった組の勝ちです。

 

6振り返り

「言い方に気をつけよう」の学習をして、気づいたことやわかったことや感想をワークシートに書いて発表します。

チャレンジカード(宿題です。般化できるようにします。)

シズカちゃんタイプの話し方ができた時に、どんな場面で、どんな風に言ったのかを記録します。

また、他の人が言っているのを見つけた時にも記録します。

 

アサーショントレーニングは何回でも!

今回は、アサーショントレーニングの始めのSSTを紹介しました。

アサーショントレーニングは、1回では身につきません。

1回目は、3つのタイプがあることを意識してくれたら良いかなと思います。

「自分はジャイアンタイプだったけど、少し気をつけるようにしようと思った。」でも良いと思います。

まず、自分はどんな話し方をしているかを振り返って、言いたいことがうまく言えるように練習していこうと思うだけでも良いと思います。

そこからがスタートです。

練習を重ねて、うまく実際の場面で使えるようにしていくことが大切です。

 

ジャイアン・のび太君・シズカちゃんのペープサートを使っても、低学年の子どもには、わかりやすいと思います。

「イイね👍カード」は色々な指導で使えるので、名刺サイズのカードをたくさん作っておくと便利です。

 

詳しい教材は、SST教材のコーナーで紹介します。