周りの人はどう思ってる?

人は何かをする時に、周りの人の目を意識する場合が多いです。

身だしなみもその一種です。

汚れた服を着ていたり、髪をとかずに人前に出ると、「不潔な人だ」とか「だらしない人だ」とか言われることが多いです。

また、癇癪を起こして大声で泣きわめいたり、暴言を吐いたり、暴力を振るったりすると、周りの人は驚き、警戒し、関わり合いになりたくないと思います。

幼児の頃ならまだ多めに見られますが、小学校に入ってからは、周りの友達からそのようなことは非難される行動となります。

『生きにくさ』を感じている子ども達の中には、周りの目など全く眼中にない子どもが多いです。

自分の言動が、周りにどのように映っているのかを意識することができない場合が多いです。

状況の把握をすることが苦手で、共感することが難しいので、周りの人の感情を推測することは高度なスキルを必要とします。

周りがどう思っているのかなど全く意識の中にありません。

 

心の理論について(ちょこっと説明)

心の理論というのは、他者の心を類推し、理解する能力のことです。発達心理学では、乳幼児を対象に様々な研究が行われています。有名なのは「サリー・アン課題」です。ある部屋の中で、バスケットと箱が置かれています。サリーがボールをバスケットの中に入れて部屋を出て行きます。その間にアンがバスケットの中のボールを箱の中に入れ替えます。サリーが戻ってきます。見ていた子供に、「サリーはどこを探すと思いますか?」と質問します。見ていた事実(ボールは箱の中にある)ので、サリーは「箱を探す」と言った場合は、サリーの気持ちになって考えていないので、心の理論を通過できていないことになります。サリーはアンがボールを動かした事実を知らないのだから、「バスケットを探す」と答えた場合は、サリーの気持ちを考えて答えているので心の理論を通過することができています。だいたい4〜5歳で通過すると言われていますが、発達障害等の子どもはもっと遅くになります。

 

心の理論を通過していない子どもは、相手の気持ちを推し量ることが困難です。

自分の周りの人を認識すること自体が難しい場合もあります。

特に絆が深い人には意識が向く場合もありますが、その他の人には関心があまりないのです。

しかし、人間関係を構築するためには、自分の言動が周りの人に与える影響を理解することが必要不可欠です。

特に学校での狭い人間関係の中では、その子の特性とは思われず、自分たちと違うというだけで、排除しようとする傾向が強いです。

これが『いじめ』に繋がって、不登校、引きこもり、ニートの道を歩んでいく子どももいます。

周りの環境を変えるのは難しいです。理解と協力がないと、なかなかわかってもらえないのが現状です。

だからと言って、特性を変えるのはもっと大変です。

自分を変えろと言われても、人は簡単には変わらないものです。

ですから、どちらも少しずつ変えることが可能であれば変えていく必要があると思います。

 

『生きにくさ』を感じている子ども達が、周りの人の存在を認識し他者を少しでも理解できるようになると、状況は変わってくるのではないかと考えます。

もちろん他者を理解することは難しいです。正確には、他者の存在に気づき、意識できるようにするということです。

今まで関心のなかった他者を意識するようにして、行動を少しずつ変えていけば、周りの理解も得やすくなると思います。

相互に歩み寄ることも可能だと考えます。

特性を大切にしながら、他者の理解もできるように支援していくことが大切だと思います。

他者理解には、心の理論を通過していることが必要不可欠です。

共感することが難しい場合は、「相手は嫌だと思っています」というように、相手の気持ちを代弁することも大事です。

「相手はどう思ってると思う?」とよく聞いていますが、相手の思いなど「わからない」ことが多いです。だから返答に困って黙ってしまうのです。

はっきりと言ってあげると、「そうなのか!」と初めて気づくことがあります。

相手が怒っていても、何故怒っているのかを理解できない場合もあります。

 

「あなたが『その髪型変だよ』と言ったから、相手は怒っているんだよ。」と言ってあげると、「僕は本当のことを言っただけだ。」と言うかもしれません。

その時は「本当のことでも、相手にとっては言われたくないこともあるんだよ。」と教えます。

そのようなことが多々あります。

 

1つの課題がクリアできても、また違う課題ではつまずいてしまう場合が多いです。

繰り返し教えていく必要があります。

テンプレート集を作っていくようなものです。

 

SSTで他者の気持ちを教える!

SSTでは、自分の行動が他者にどのような影響を与えるのかを教えていきます。

1回のSSTではなく、何回も繰り返し違う場面を設定して教えていく必要があります。

 

SSTテーマ 周りの人の気持ちを考えよう!

1 場面(スタッフがロールプレイで見せます)

場面

A君が漢字テストをしています。どうしても思い出せない漢字があったので、漢字テストをビリビリに破いて机を倒し、椅子を振り回して怒りました。

 

場面を見た感想は?

A君はテストができないからって、怒ったらダメだと思う。」

「悔しいから仕方ないと思う」・・・など

 

A君の周りの人はどう思っていると思う?

「びっくりしたと思う」

「なんで?と思った」・・・など

 

2 考えてみよう

 

A君はどうしたら良かったと思う?

「怒らなかったら良かった」

「悔しいけど我慢する」

「その場を離れる」・・・など

 

A君の周りの人の気持ちがわからない場合は、吹き出しなどで書くワークシートを使います。 

顔を書いて表情を考える→吹き出しに言葉を考える

 

 

 

 

 

周りの人の気持ちになって考える練習です。

わからない時は、表情カードから選んだり、気持ちを表す言葉を言ったり、やって見せて自分がどう思ったか考えたりします。

 

周りの人の気持ちを考慮した上で、A君はどうしたら良かったかを考えます。

 

その時に、A君の行動が周りの人にとって不快な行動であることを理解できるようにします。

周りの人が嫌な気持ちになったり、心が傷ついたりする場合、自分と周りの人とがうまく人間関係を築くことができるかを検討します。

  

    

自分の行動が周りの人にどのような感情を抱かせるのかを意識することが大切です。

 

周りの人は、自分のことをどのように見ているのか?を考えてみる。

 

 

 

3 やってみよう

ロールプレイをしてみます。

A君の役の人以外は、みんなでA君を見ています。

A君がテストを破って机を倒したり椅子を振り回します。

見ていた人は、感想を言います。

次にA君がどうしたら良かったのかを話し合います。

A君の役の人は、話し合った結果をやってみます。

周りで見ていた人は、感想を言います。

 

4 練習してみよう

様々な場面が書いてある『場面カード』を用意します。

場面カードから1枚引いて、場面を読みます。

自分だったらどうするのかを考えてやってみます。

見ていた人が感想を言います。

 

5 周りの人ゲーム

「場面カード」の山札を真ん中に置きます。

1人ずつ場面カードを引いて場面を読みます。

右隣の人にやってもらいます。

見ていた人は、良かったら「👍」カードを出します。

順番にやってみて、「👍」カードをたくさんもらった人の勝ちです。

もしわからない時は、「ヘルプ」カードを出して、「お助けマン」を指名します。

 

6 振り返り

今日の学習「周りの人の気持ちを考えよう」を振り返って、気がついたことやわかったこと、感想などを発表します。

 

周りの人の気持ちを考えよう

今回は「周りの人の気持ちを考えよう」というテーマのSSTを紹介しました。

 

『生きにくさ』を感じている子ども達は、自分の周囲の人の感情を推し量ることが苦手な場合が多いです。

 

まず、自分と周りの人たちは同じように感情を持っていることを認識することが大切です。

また、その感情は人によって違うので、自分の感情と必ずしも同じではないことを教えます。

さらに、自分の言動が周りの人たちに影響を与えるということに気づくことも必要です。

負の感情を惹き起こせば、相手は自分とは仲良くなろうとはしないということを教えることも大事です。

 

人間関係を構築するためには、自分の行動が周りの人にどう受け止められているのかを意識して、嫌な思いを抱かないように気をつけることが必要不可欠であることを教えます。

1度での学習では習得することが難しいです。

 

感情のコントロールができるように指導することも大切です。

 

人の目など気にしない」「周りにどう思われても関係ない」と思っている子どもも多いです。

でも、社会では共同で生活しています。

 

必ず他者が存在して一緒に生活をしているのですから、周りの人に負の感情を抱かせないようにすることも大切だと思います。

 

友達や周りの人と仲良く生活するためには、相手がどう思うか?周りの目も意識できるようにすることが必要だと思います。

 

SST「みんなのことも考えよう」

 

SST「周りを見てみよう。」他者理解

 

SST「みんなのことも考えよう」2

 

SST周りの人の気持ちを考えよう