ストレスをためていませんか?
現代では子どもでもストレスを抱えて生きています。
勉強のストレス(わからないことが多い、宿題ができないなど)や友達とのトラブル、家族関係、学校生活への不満・・・など数え上げたらキリがないくらいストレスになることはたくさんあります。
さらに、最近では、コロナ禍でのストレスも加わります。
感覚過敏の子どもは、マスクを着けるのを嫌がります。
自粛生活で、自由に外で遊べないのも辛いです。
大人でさえ日々戦々恐々としているのですから、子ども達にとっては非常にストレスを感じる毎日になっていると思います。
ストレスは自覚がある場合もありますが、無意識のうちにストレスを貯めている場合もあります。
ストレスの仕組みを考えてみましょう。
まず、ストレッサーと言われる、ストレスの元があります。
ストレッサー
ストレッサーというのは、ストレスを与える元のことです。これは、人によって違います。
同じ状況でもストレスを感じない人もいます。感じる度合いも個人個人で違います。
その人がストレスを感じている原因がストレッサーなのです。
例えば
勉強がわからない
失敗した
怒られた
喧嘩した
暑い・寒い
分かってもらえない
ストレッサーは、個人によって違いますが、ストレスの原因は誰でも持っていると思います。
ストレス反応
次に、ストレス反応、ストレッサーにより身体や心に反応が出ることです。
身体には、頭痛・腹痛・ドキドキ感・倦怠感・・・などなど
心には、イライラ・悲しい・無気力・・・などなど
身体や心に反応が出た時に、そのままにしておくと、病気になったり、鬱になったりするかもしれません。
ストレッサーを見つけよう
自分はどんなことでイライラするのか?どういう状況が苦手なのか?自分のストレッサーを知っておくことは大切です。
ストレッサーに気がつかないと、自分のイライラや悲しみがどこからくるのかわからずに、辛い思いだけが残ります。
それを、人や物に当たったり、大人なら、お酒を飲んで紛らわせたり、不適切な行動に走ったりしてしまう場合もあります。
自分のストレッサーが何なのかを知っておくと、その後の行動が変わってきます。
ストレスの対処法
ストレス反応が出た時に、何もしないで(我慢してしまうなど)いると、病気になったり、うつ状態になったりする場合があります。
そうならない為に、ストレスの対処法を知っておくことは、とても大切なことです。
私は、子ども達にストレスの対処法を教える時に、
「『心のコントローラー』を使ってストレスをやっつけよう!」
と言っています。
心のコントローラー
心のコントローラーというのは、ゲームをする時のように、コントローラーを使って、ストレスをコントロールするという意味です。
ストレスが溜まってきたと思った時に使うものです。
* 美味しいものを食べる
* バッティングをする
* おしゃべりをする
* お風呂に入る
* 散歩をする
* 音楽を聴く
* 映画を観る・・・・・などなど
たくさんのコントローラーを見つけることができるようにします。
時には、人を殴るとか物を壊すとか非社会的なことを言う子どももいますが、最後に自分も他人も傷つかない方法を考えるように促します。
たくさんのコントローラーを持っていると、ストレスを感じた時の場所や状況に合った対処法を試すことができます。
また、ストレスの溜まり具合によっても、どのぐらいの対処が必要になるかが変わってきます。
深呼吸はいつでもどこでもできる
心のコントローラーの中に、『魔法の深呼吸』というのがあります。
深呼吸は、いつでも、どこでもできる対処法です。
できれば、音楽(静かなゆったりした感じの音楽)があると良いのですが、なければ心の中で聴いてください。
深呼吸のやり方 例
1 椅子の深く座ったり、床に仰向けに寝たり、自由な格好でリラックスします。
2 お腹に手を当てて、できれば目を閉じます。(難しければ開けていても良いです)
腹式呼吸になるように、お腹の動きを手に感じる
3 鼻から息をゆっくり吸います。(1234)
4 一旦止めて、今度は口から息を吐きます。(5678)
息を吐く時には、嫌なことを体の外に押し出すイメージで
これを数回ゆっくりと繰り返します。
深呼吸をしながら、頭の中で
5 自分の好きな場所を思い浮かべます。
(海でも山でも家の中でも)
6 自分の好きなことをしている姿を思い浮かべます。
7 ゆっくりと目を開けて、伸びをします。
これは深呼吸の1例です。自分がやりやすいやり方で試してください。リラックスできているでしょうか?
身体の緊張をとる『リラクゼーション』があります
身体が緊張していると、肩こりや頭痛の原因になります。
身体の緊張をとるリラクゼーションがあります。
始める前に、椅子に座って、姿勢を正してください。手はひざの上におきましょう。 気楽に落ち着いて、そして静かにしましょう。では、そっと目を閉じて下さい。
1、腕のリラクゼーション
① 両手のゲンコツを力いっぱいにぎりしめます。(5〜7秒)
② 入れた力を一気に抜いて、手の感触を感じます。
③ 両手のゲンコツをにぎって、両うでを胸の前で交差して身体の力いっぱい押し付けます。
④ 次に、肩を思いっきりすくめましょう。(5〜7秒)
⑤ 入れた力を一気に抜いて、手・腕・肩の感触を感じます
2、足のリラクゼーション
① つま先に力を入れて、両足を力いっぱいくっつけま(5〜7秒)
② 入れた力を一気に抜いて、足の感触を感じます
3、顔のリラクゼーション
① 両目を力いっぱいつむります。(5〜7秒)
② 入れた力を一気に抜いて、目の周りの感触を感じます
③ 歯をかみしめて、口を力いっぱい閉じます(5〜7秒)
④ 入れた力を一気に抜いて、口の周りの感触を感じます
4、全身のリラクゼーション
① お腹に力を入れます。(5〜7秒)
② 力を抜いてリラックス。静かにゆっくり息を吸いましょう(10秒ぐらい)
③次はゆっくり息を吐きましょう。(10秒ぐらい)
③ 身体全体がリラックスして、重く感じますか?
5、特別な場所
① あなたの好きな場所、安全で、そして美しい場所を思い浮かべましょう
② あなたはそこで、好きなことをしているところを思い浮かべましょう
③ あなたの好きな人や動物が一緒かもしれません
④ あなたの選んだ好きな場所で、好きなことをして、楽しい時間を過ごしているところを思い浮かべましょう(15秒~30秒)
⑤ この特別な場所には、いつだって、望みさえすれば戻ってこられます。そこはあなたの特別な秘密の場所なのです。
⑥ さあ、朝にするように伸びをしましょう。はい、目を開けましょう。気持ちよく目覚めることができたでしょうか?
様々な『心のコントローラー』を試してみて、自分に合ったものを使いましょう。
人によってストレスの感じ方が違うように、対処法も違っています。
ある人には効果があっても、他の人には全然効かないということはよくあることです。
自分オリジナルの『心のコントローラー』をたくさん集めてください。
但し、その方法は自分を傷つけないか?他の人を傷つけないか?周りに迷惑がかからないか?などを考える必要があります。
ストレスの対処法 |
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自分が傷つくもの |
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相手が傷つくもの |
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自分も相手も傷つくもの |
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自分も相手も傷つかないもの |
自分も相手も傷つかない方法でストレスを発散しましょう!
ストレスマネジメントの教材
ストレスを感じる原因を見つけるためのワークシートです。
どんな状況でストレスを感じるのか?自分のストレスを感じる傾向を知っておくと、対処法がわかります。
ストレスマネジメントブックです。
ストレスについての説明、ストレスの対処法の例を挙げています。
ストレスについて学習するときの教科書のようなものです。
「心のコントローラー」を見つける時に役立つワークシートです。
自分に合ったコントローラー(対処法)をたくさん見つけて、いつでも、どこでも使えるようにしていくのが目的です。
ストレスを溜めない考え方を身に付けることで、ストレッサーを減らすようにします。
自分の考え方を変えることは難しいですが、こんな考え方もあるよと例を示すことで、違う考え方を知ることでできます。
今回は「ストレスマネジメント」について紹介しました。
ストレスを感じたらすぐに実践してストレスを発散してください。
SSTのターゲットスキル はまだまだたくさんあります。
少しずつ紹介できれば良いなと思います。