レインボー塾の学校関係者支援(特に学級担任)

レインボー塾に通う子ども達

レインボー塾に通ってくる子どもは、学校生活に適応できないで苦しんでいる子どもが多いです。

集団生活のルールが守れない。特に暗黙のルールは、本人が理解できないので守ることは難しいです。

時間を意識しないので遅れてしまう。授業が始まっても運動場で1人遊んでいることもあります。その時にやらなければいけないことに対しての優先順位が明らかに違うのです。

授業中にじっと座ってられず動き回ってしまう。ADHDなどの多動の子どもは、椅子にずーっと座っていることが苦手です。何か興味があることを見つけるとそっちに気を取られてしまいます。

感覚過敏で体育や音楽の授業から抜け出してしまう。体操服に着替えることを嫌がったり、音が混じり合う状況に耐えられずに教室を出てしまったりします。

発達障害などで「生き辛さ」を感じている子ども達は、独特の認知の仕方をします。それが集団生活という一律の状況の中で困難さを増すのです。

本当に、様々な理由でうまく適応できないのです。

本人が改善しなければいけない問題も多々ありますが、周囲の理解で救われる場合も多いです。

小学校の場合、学校生活で大切なのは、学級担任との関係です。

また学級の友達との関係も重要です。

学級担任の先生の理解が必要

担任の先生がその子をどのように思っているのか?は、子どもにとって学校生活が楽しいものになるか、苦しいものになるかを分けるぐらい大切なポイントです。

先生に理解してもらっている子どもは、何か問題が起きても親身になって対応してもらえます。

例えば、その子が知覚過敏で音に敏感だとします。

音楽の時間が辛い場合、先生が理解していると音楽の先生に伝えて合奏の練習の時は別室で練習することもできます。

ヘッドセットをつけることも可能です。

子どもの辛い気持ちを理解していることが大切です。

『生き辛さ』を感じている子ども達の辛さは「外から見えない」

『生き辛さ』を感じている子ども達の苦しみや辛さ外からでは見えないので、理解するのが難しい場合が多いです。

いくら本人が訴えても、他から見ると全く困っているようには見えないからです。

例えば、車椅子を使っている子どもは、周囲の子ども達にも困難さは伝わりますし、どうやって助けたら良いかを考えるでしょう。

でも、発達障害の子どもの辛さは、目には見えないので、理解することが難しいのです。

周囲の子ども達の理解も必要

周囲の子ども達にも理解してもらうことが大事です。

周囲の子ども達の理解がないと、「あいつは自分勝手なやつだ。」と思われてしまうことがあります。

集団行動を乱す困った存在になりかねないです。

あいつがいるせいで・・・」と迷惑そうに言われることも出てきます。

時にはそれがイジメに繋がることもあるかもしれません。

実際レインボー塾に来ている子どもの中には「イジメ」が原因で不登校になり家に引きこもってしまったケースもあります。

担任の先生と発達障害などの子どもの関係

小学校の場合、通常学級の学級担任は1人で35人〜40人の子ども達を受け持っています。

特別支援学級に在籍している子どもは、特別支援学級の担任が支援をしています。

その子が通常学級で交流学習をする時にも、特別支援学級の担任が寄り添って支援を続ける場合が多いです。

発達障害などの子ども達は、通常学級に数人います。

その子達の支援は、学級担任1人に任されている訳です。(通級指導を受けている場合は別です)

例えば、LD(限局性学習症)の子どもが、読み書きで躓いていても、個別学習をすることは難しいです。

子どもに適切な指導をしたくても、限られた時間、決まっている教育過程をこなしていかなければならない状況では、1人ではなかなかハードです。

そこに、ADHDの子どもが、授業に集中できずにウロウロ歩き回っては、周りの子どもの学習の邪魔をします。

それが原因で、喧嘩になり、殴り合ったり、机をひっくり返したりします。

授業を続けるどころではありません。廊下に当事者を連れていき、話を聞いている間に、他の子どもの学習はストップしています。

ASDの子どもの中には、こだわりが強くて、計画変更を臨機応変に受け入れられない子もいます。

運動会の練習などで、算数が体育に変わることもあるでしょう。でも、ASDの子どもはそれを受け入れることができないので、パニックを起こして大声で叫んだり、物を壊したりして大騒ぎになります。

こんな風に、学級では様々なドラマが繰り広げられているのに、対応するのは学級担任ただ1人です。

学級全体の運営をしていかなければならないのに、一部の子どものために思うように学級経営ができないで1人苦戦しています。

圧力を加えて、厳しく指導をすると、反抗的になって、学級を引っ掻き回す子どもも出てきます。こうして、学級崩壊が始まります。

担任はこのような実情の中、日々悪戦苦闘を繰り返し心も身体も疲弊しきっています。

ノイローゼになって、病休する先生もたくさんいます。

先生に心の余裕がないと、子ども達1人1人を理解し、適切に指導することが難しくなります。

学級担任の支援が必要不可欠

管理職を含め、1つの学級の問題と捉えずに、学校の問題として捉える視点が大切です。

学級担任の学級経営を批判するのではなく、「誰が持っても同じようなことが起こる可能性がある」として捉え、自分だったらどうやって問題を解決していくのかを真剣に考える必要があります。

学級担任は、日々厳しい状況の中で何とかうまくいく方法を模索しています。

それを支える学校での支援が必要です。

学級担任の支援は学校全体で!

学校では、特別支援コーディネーターがいて、そのような先生の支援をしています。

特別支援コーディネーターが中心となって、校内委員会を開いて、学校全体で支援をしていこうと働きかけます。

特別支援教育支援員を配置して、学級での問題に一緒に関わっていく人を担任以外にもつけて、担任の負担を減らす場合もあります。

緊急支援体制を学校全体で組んで、空き時間の先生が対応に加わってるケースもあります。

大切なのは、学級担任1人に責任を押し付けないことです。

学年単位での支援もできます。

例えば体育を合同でするとか、総合学習を学級の枠を超えて指導するとか、何らかの工夫をして、みんなで子ども達を指導していくというスタンスを持つことです。

学校全体で情報交換をしたり、子どもの特性について話し合ったりして協力体制を構築していくことは必要不可欠なことだと思います。

子どもを取り巻く周囲の環境整備をすることは、なかなかすぐにはできません。

ですが、努力をする必要はあります。

レインボー塾での担任支援

学校訪問

学校で起こっていることは、レインボー塾の中では見つけにくいことです。

レインボー塾では、子どもや保護者からの話を聞いて学校での状況をイメージすることはできますが、実際に見ることはできません。

子どもが実際に生活をしている環境を見る必要がある

実際に子どもが生活をしている環境(学校)を見る必要があります。

担任の先生はどんな人か?

学級の友達との関わりはどうか?

休み時間はどんな風に過ごしているのか?・・・などを観察して、子どもがおかれた状況を分析します。

学校での子ども達の様子は?

レインボー塾には、SSTグループがキッズを含めて6つあります。

だいたい学年を揃えて毎日日替わりで通ってきます。

1つのグループは6人で、SSTを受けている子どもは36人です。

個別指導を受けている子ども達は、キッズを含めて36人います。

従って、72人の子どもの学校を訪問します。

塾なので、他府県から来ている子どももいます。

まず、教育委員会に許可をとります。次に学校長の許可をとります。訪問をする日を検討します。アポイントが取れたら訪問に行きます。

だいたい新学期に1回目の訪問をします。

新しい学級担任の先生と顔なじみになって「子どもの特性」を理解してもらうようにします。

学級の授業の様子を観察したり、休み時間に一緒に話したりします。

学級の子ども達もまだ馴染んではいない時期です。先生と子ども達との関係も観察します。

学級担任は忙しいですが、子どもの様子を観察し分析した結果を話し合います。

どんな特性があるのか。

どのように指導すればうまくいくのか。

担任の苦労を労いながら話をします。

担任の相談にいつでも応じることを伝えます。

学期に1回ぐらいの割合で、学校を訪問します。

担任面談で個別の指導計画を

夏休みには、可能なら学級担任の先生にレインボー塾に来てもらって、レインボー塾の様子を見てもらったり、個別の指導計画を一緒に考えてもらったりします。

1学期の子どもの様子、困っていること、課題、2学期の目標などを話し合います。

学級担任の日頃の苦労や悩みなども聞きます。

学級担任交流会

冬休みには、学級担任交流会をします。(希望者)

学級担任をしていると、悩みも多いです。まして問題を抱えた子どもを担任していると日々の生活が大変です。

反抗的な子どももいます。

学級を引っ掻き回す子どもも中にはいるでしょう。

同じ悩みを抱えた先生方が、お茶を飲みながら雑談をすることで、少しでも癒されたら良いなと思って行なっています。お酒が出せないのは申し訳ないですけど・・・

また、レインボー塾でのSSTの様子をビデオで見てもらったりもします。

学校とは違った子ども達の様子を見て、驚いている先生も少なくありません。

ティーチャー・トレーニング

希望者には、ペアレント・トレーニングの学校版であるティーチャー・トレーニングに参加してもらっています。

先生が変われば子どもが変わる」をキャッチフレーズに一緒に学習していきます。

ティーチャートレーニングでは、学級の中で1人の子どもを対象にしてプログラムを進めていきます。(レインボー塾の子どもです)

詳しいプログラムの内容は、ペアレント・トレーニングのコーナーで説明しますので、ここでは割愛します。

ティーチャー・トレーニングを受けた学級担任の先生の感想

*はじめは、子どものいいところ探しは、とても難しくて全然見つけられなかったけれど、次第に見えてくるようになりました。この子こんなことできたんだって嬉しく思いました。

*最初は悪循環の塊みたいに、うまくいかないことばかりだったけど、だんだん気持ちが落ち着いて、子どもが見えるようになってきました。子どもとの関係が良くなってきたのを実感しています。

*褒めるなんて、子どもを甘やかしてダメにしてしまうと思って注意ばかりしていたように思います。「イイね!」を出すことっていうのがしっくりきて、そうだ!と思いました。それからは、「イイね👍」をいっぱい出しています。子どもも笑顔が多くなりました。

ティーチャートレーニングはご多忙な先生方が参加するので、集まりが悪いこともあります。(行事があるときは特に)

5回ぐらいのプログラムにしています。

子どもの生活環境を整えるためには、学校生活での様子を見ること担任の先生との関係学級の友達との関係などを総合的に見ていく必要があります。

 

今回はレインボー塾の学級担任支援について説明しました。

レインボー塾では、まだまだたくさんの取り組みを行っています。

少しずつ紹介していきますね。

タイトルとURLをコピーしました