SST 断り方(教材入り)

断るのは難しい?

何かを頼まれた時や、何かに誘ってもらった時に断らなければいけないことがあります。

何かに誘ってもらった時は、断るのが難しい場合があります。

せっかく誘ってくれたのに、断れば人間関係にヒビが入るのではないかと恐れて断れずにいることもあります。

何かを頼まれた時に、せっかく頼ってくれたのに応えられないとやはり人間関係にヒビが入るかもしれないと恐れて、無理にでも引き受けてしまうこともあります。

人間関係にヒビが入ることなく、上手に断るにはどうしたら良いでしょう?

発達障害などで『生き辛さ』を感じている子ども達の中には、何かを頼まれた時に「無理」の一言で断ってしまう子どもがいます。

また、反対に断れずに自分が無理をしてしまう子どももいます。

特に小学校高学年女子の人間関係は複雑です。

思春期を迎えて精神的にも不安定になってきている影響もあって、断るということはいじめを誘発する可能性もあります。

SSTで上手な断り方を教える

SSTでは、断る時にどのように言ったら相手に嫌な思いをさせずに断ることができるかを考えていきます。

発達障害などで『生き辛さ』を感じている子ども達の中には、相手の感情を汲み取ることが苦手な子ども達が多いです。

相手の感情にお構いなしに無下に断ってしまうことがあります。

人間関係を円滑に築いていくには、断り方も大切なスキルだと思います。

SSTテーマ 上手な断り方

ロールプレイをみよう

スタッフがロールプレイを見せます。

場面

A君が帰ろうとしていると、B君が「今日一緒に遊ぼうよ」と言いました。A君はお母さんと一緒に買い物に行く予定がありました。A君は「無理!」と言って帰ってしまいました。
ジュンヤさん
ジュンヤさん

ねえ、今日一緒に遊ぼうよ

ヨシオさん
ヨシオさん

無理!

考えてみよう

ユウコさん
ユウコさん

今のロールプレイを見て、気がついたことや感想を発表してね

子どもA
子ども

無理だけじゃ、なんで無理なのかがわからない。

子どもC
子ども

せっかく誘ったのに嫌な感じ

ユウコさん
ユウコさん

ジュンヤさんの気持ちはどうかな?

あなたがジュンヤさんだったらどう思う?

子どもB
子ども

嫌だと思う

子どもC
子ども

もう誘わない

子どもD
子どもD

なんで無理なんだ?って思う

ユウコさん
ユウコさん

ヨシオさんはどうしたら良かったと思う?

子どもD
子ども

理由を言ったら良かった

子どもA
子ども

ごめんと言ったら良い

子どもE
子ども

今度一緒に行こうと言ったら良かった

ユウコさん
ユウコさん

断る時は、どんな風に言ったら良いかな?

子どもD
子ども

誘ってくれてありがとう。って言うのはどうかな?

子どもA
子ども

でも、ごめんな。って続けるの。

子どもD
子ども

今日は用事があって行けないんだ。って理由をいう方が良いよ。

子どもB
子ども

そうだね。

理由がわかれば、そうなのかって思うよね。

子どもE
子ども

それから、また今度誘ってって言えば、また誘ってくれるよ。

子どもA
子ども

そうかもね。

言われた方はそれでOKって思うよ。

子ども達の意見をマリコさんがホワイトボードに書いていきます。

①相手に応えられない残念な気持ちを表す「ごめんね。」
②断る理由を言う「~だから行けないんだ。」
③自分にできることを言う「~ならできるよ。」

3やってみよう

2人1組でロールプレイをしてみます。

子どもD
子ども

今日一緒に遊ばない?

子どもE
子ども

誘ってくれてありがとう。

でもね、今日はお母さんと一緒に買い物に行く予定なんだ。

だから行けないけど、明日なら良いよ。どうかな?

ユウコさん
ユウコさん

見ている人はどう思った?気がついたことを言ってね。

子どもA
子ども

良かったと思うな。

子どもB
子ども

全部笑顔で言ってたけど、断る時はすまなそうな顔の方が良いと思う。

子どもA
子ども

すごいや。

顔の表情も違うのにするの?

子どもB
子ども

だって、ニコニコして言ったら、断るのが嬉しいみたいじゃん。

子どもA
子ども

なるほど、そうだな。

子どもD
子ども

難しいよね。

でもそうかもしれない。

子どもE
子ども

すごいことに気がついたのね。

どんなことに気をつけたら良いのかを考えながら言葉を考えます。

ユウコさん
ユウコさん

断られた人は、どんな気持ちになったのかを発表してね。

子どもD
子ども

そうね。

断られるのは嫌だけど、今みたいに、理由も言ってくれて、明日なら遊べるってわかったからまあ良いかって思ったよ。

4練習しよう

断る場面が書いてある場面カードを引いて、2人1組でロールプレイをします。

場面カード

A君が新しく買った図鑑を見て いるとB君が「面白そうだな。貸 して」と言いました。A君は貸し たくありません。断る時はどう言うかな?

子どもB
子ども

ねえ、その図鑑面白そうだね。貸してよ。

子どもA
子ども

ごめん。

この図鑑まだ新品で、僕もまだ見てないんだ。

見終わってから貸すのでも良いかな?

子どもB
子ども

良いよ。

見終わったら貸してね。

見ている人は、良かったら「良いね👍」カードを出します。

アドバイスがある時は「チョコっとアドバイス」カードを出して、アドバイスします。

SST教材

いいねカード

チョコっとアドバイスカード

練習してみよう

大きな模造紙に絵を描いていきます。

画材はマジック・色鉛筆・絵の具などです。

好きな所から絵を描いていきますが、画材が限られているので、交代で使わなければいけません。

画材を借りる時には「頼む時」のスキルを、頼まれた時には「断る時」のスキルを使って仲良く仕上げていくゲームです。

断る時に上手に言えるかどうかをスタッフが見ていきます。

上手に言えた時は「スタンプカード」に「👍」スタンプを押していきます。

たくさん「👍」スタンプをもらった人が勝ちです。

振り返り(「断り方」の学習の感想)

ユウコさん
ユウコさん

上手に断る学習をして気がついたことやわかったこと、感想などを発表します。

子どもC
子ども

最初から「無理」って言わない。

子どもA
子ども

理由を言ってから断る。

子どもD
子ども

ごめんねって気持ちで断る。表情も大事

子どもB
子ども

次できる時を言って断る。

子どもE
子ども

誘ってくれたことにお礼を言う。

SST「断り方」教材

SST断り方練習カード

断り方を考えるワークシートです。

SST断る時は?場面カード

断る場面が書いてあるカードです。その時にどうやって断れば良いのかを考えるゲームに使います。断るのが難しい時は、ヘルプカードを出して、お助けマンを呼んでも良いことになっています。

ヘルプカード

お助けマンカード

いつでもSOSが出せる、いつでも誰かが助けてくれるという体験は、日常生活でも必要なスキルを育てるために大切です。

また、友達を助けて一緒に考えていくことで、自己肯定感が高まります。

色々な場面で使える便利なカードです。

 

今回は「断り方」のSSTを紹介しました。

日常生活では、色々な場面で断ることがあります。

どうやって断ったら人間関係にヒビが入らずにできるのかを学習して実践できるようにしたいと思っています。

 

SSTのターゲットスキルは、まだまだたくさんあります。

少しずつ紹介していこうと思います。

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