レインボー塾のSST 低学年の活動(SST教材入り)

レインボー塾の低学年SSTの内容

大きく分けて5つのプログラムを行います。

今回は、各プログラムで行う内容をいくつか紹介します。

特別な器具や用具を用意しなくても、日常生活にある廃材100均の材料で簡単に作れる手作りの教材を使ってできるものもあります。参考になれば幸いです。

ウォーミングアップ

プレイルームで行います。

プレイルームについては『レインボー塾のSST』に詳しく書いてあります。→こちらをクリック

身体を動かすゲームサーキットトレーニングを通して、体幹を整えたり、感覚統合を行ったりします。

例えば、平均台やはしご、跳び箱、トランポリンをサークルにおいてぐるぐる回るサーキットトレーニングがあります。

忍者ごっこ』として、マットの上を転がったり、登り棒をよじ登ったり、お城に手裏剣(折り紙)を投げたりする活動は、レインボー塾キッズSSTの中でも取り上げています。→こちらをクリック

『生き辛さ』を感じている子ども達の中には、体の動きがぎこちなくて困っている子どもがいます。

平均台の上を歩いたり、縄跳びをしたり、スキップやケンパをしたりすることが苦手な子どもが多いです。

ボール運動も苦手で、うまくボールを投げることができない、ボールをキャッチすることができない、機敏に動けないなどの理由で積極的にやろうとはしません。

ボールはドッジボールよりも柔らかい物を使って、当たっても痛くないようにします。

ウォーミングアップの例

フリスビーキャッチ

フェルトのフリスビー100円ショップでも売っています)を使って投げる練習受ける練習をします。

最初は投げる練習をします。標的を作って、そこに当てることで、目と手の協調運動距離と強さの推測などを鍛えます。

投げる時に肩や手首を使うことを体験的に教えていきます。

投げることが上手になってきたら、受ける練習をします。

飛んでくるフリスビーを両手で挟んで受けたり片手でキャッチしたりする練習をします。

上手に受けることができるようになったら、2人1組で受け合いをする練習をします。

相手が受けやすいところにフリスビーを投げることが目標です。

投げる練習で標的に向けて上手に投げることができるようになっているので、相手の近くにフリスビーを投げることができるようになります。

受ける練習もしているので、相手が投げてきたフリスビーを両手や片手で受けることができるようになります。

上手に受け合いができるようになったら、時間を決めて何回キャッチできるかを計ります。

最初は5分間で何回キャッチできるのかを計ります。

上手になってきたら時間を短くして、3分間・2分間と縮めていきます。

同じ時間を何回かやって上手になると、回数が増えていきます。

チームごとに回数を計って勝負しても良いですが、勝ち負けにこだわる子がいるので、相手を責めたり途中で投げ出したりするので、他チームとの競争はあまりしません。

それよりも、相手の上手なところを褒めたり相手が受けやすいところに投げたりする方法を考えたりすることに重点をおきます。チームワークも体験できます。

ストラックアウト

ストラックアウトも有効です。

狙いを定めて投げるためには、目と手の協調運動が必要になります。

どこを目当てに、どのぐらいの強さで投げると的にあたるのか見当をつけます。

手首を使ってスナップを効かす方法を教えます。

カーリング

カーリングも力加減をつけることができます。

また、後の子どもが自分のコマを弾いたときに、感情のコントロールをする力も養います。

床にシートを敷きます。(100円ショップで売っている白いテーブルクロスなど)

シートには100点・80点・60点・・・などの点数が同心円で書かれています。

カーリングのコマは紙皿と紙コップで作ります。

紙皿を2枚内側が膨らむように貼り合わせて、その上に紙コップをつけます。テープで巻いてカラフルに仕上げても良いです。(コマの作り方は色々あるので、滑らせる物を作ればOKです)

フローリングの床にシートを敷いて、そこから離れたところにテープをはります。

テープのところから、カーリングのコマを滑らせます。コマが止まったところの点数が得点になります。

順番を決めて始めますが、始める前に「後の人が自分のコマを弾き飛ばしても怒らない」という約束をします。

カーリングでは、人のコマに当てて自分が入った所が点数になります。

始めに100点の所に入っていても、後の人がそのコマを弾いて100点の所に入ったら、後の人の得点が100点になります。

自分のコマが弾き飛ばされて0点になってしまう可能性もあります。

ルールの説明をしっかりしておかないと怒り出す子どもが必ずいます。ルールを説明していても怒り出す子どももいます。

カーリングは3回~5回行います。毎回順番を決め直します。順番が後の方が有利だからです。

最終的に得点の合計が多い人の勝ちになります。

カーリングでは、目標までの距離力加減を計算して進めることが重要なポイントです。

また、一緒にやっている人との心理戦も入ってきます。

自分が不利になった時の感情のコントロールも必要になってきます。

様々な力を培うことができるゲームです。

テーブルエアーホッケー

テーブルエアーホッケーとは、テーブルの上で玉(タッパーの蓋など)を相手のテーブルの端から落とすゲームです。

よくゲームセンターで見かけるエアーホッケーをテーブルでします。

テーブルの横の部分は球が落ちないように柵などを作って防ぎます。

2人1組で対戦します。

エアーホッケーの防御する道具は、丸いタッパーなどを使います。

エアーホッケーも心理戦です。相手の動きをよく見て、隙を見つけて球を滑らせます。

5点~10点(程度は子どもの技能によって決める)を先取した方が勝ちになります。

長テーブルと100円ショップで売っているタッパー容器(5個1組など)があればできます。

柵にするのは、ウレタンの棒でも良いと思います。

エアーホッケーでは、力加減も大切ですが、相手の動きを見ることフェイントをかける力なども培われます。

ホワイトボードタッチ

ホワイトボードにひらがなカードカタカナカードを貼って、言葉を作ってタッチしたり、しりとりをしてタッチしたりします。

絵カード言葉がカードを貼ってマッチングすることもできます。

言葉カードは、特殊音節の言葉を使っても良いです。

また、数字カードで小さい数字から順番に大きい数字をタッチしていくやり方もあります。

学年が進むと、偶数だけタッチするとか、足し算や引き算を入れて答えをタッチするとか色々な工夫をして楽しむことができます。

カードを目で追って、タッチしていくのは目の運動にもなります。

ビジョントレーニングも含まれる場合があります。

リラクゼーション

ウォーミングアップの最後に必ず取り入れます)

床に寝たり、椅子に座ったり、自分の好きな体勢になります。

音楽を聴きながら、深呼吸をします。

鼻から吸って、口から吐きます。(できればお腹に手を当てます)

目を閉じれる子どもは目を閉じます。

ゆっくり深呼吸をしながら、頭の中で、自分の好きな場所を思い浮かべて、そこで自分の好きなことをします。

音楽が終わったら静かに立ち上がります。

コミュニケーショントレーニング

言葉ゲーム

ひらがなやカタカナ、漢字を使って言葉を作ったりしりとりをしたりします。

カルタ言葉カードを使ったゲームもします。

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせ紙芝居を見せて、感想を言ったり、物語のあらすじを振り返ったりして、読み取る力も養います。

テーマトーク

好きな〇〇について、得意なことやってみたいこと・・・など、テーマを決めて話をします。

サイコロトーキングなどもテーマを決めて話をすることができます。

話の仕方聞き方なども支援していきます。

ジェスチャーゲーム

非言語的なコミュニケーション力を培うために、ジェスチャーゲームを取り入れています。

ジェスチャーのネタカードを見て、ジェスチャーをします。

見ている人は、何を表しているか?または何をやっているところなのかを考えて発表します。

言葉ではなくて、動作や表情などで表現する練習と、それを汲み取る練習になります。

SST教材

ジェスチャーゲームネタカードpdf

制作活動

何かを作る作業を通して、手先の器用さや想像力を培います。

絵を描いたり、共同で物を作ることで、協調性や協力することを学びます。

廃材を使って自分たちが遊ぶゲームを作ったり、イベントの飾りを作ったりします。

制作活動の例

ペットボトルボーリング

ペットボトルにキャラクターの絵を貼ったり、マジックで絵を描いたりして、ボーリングのピンにします。

大きなボールを転がして、ピンに当てます。

倒した本数をに書いていき、5回〜10回で倒した合計で勝敗が決まります。

その時の子どもの発達段階や様子で回数を変えたり、ペアー制にしたり、ルールを変えていってもOKです。

これは、人気のキャラクターで作ったターゲットに、タマを滑らせて、当たったキャラクターがもらえるゲームです。

このペットボトルを10本並べれば、ペットボトルボーリングができます。

ども達の興味がある物を取り入れて作ると、喜んで参加してくれます。

壁画作成

大きな模造紙に絵を描いていきます。

テーマを決めて描いても良いし、好きな絵を描いても良いです。

具材は、絵の具・マジック・クレヨン・色鉛筆・アクリル絵の具などを用意して、好きな用具を使っても良いことにします。

模造紙のどこから描いても良いですが、友達と話し合って描くスペースを決めてから始める方がトラブルは少ないです。

テーマは「海の中」とか「宇宙」とか「森の中」とか「街」など大まかなものが良いと思います。

できたら、壁に貼ってみんなで鑑賞します。

カルタ作りやジグソーパズル作り

みんなで遊ぶゲームを作ります。

カルタは「ひらがな」版「カタカナ」版を学年によって分けても良いです。

絵カード読みカードをセットで1人で作ります。

文字は順番に決めていきます。(何回かに分けて制作します。)

できたカルタで遊びます。

ジグソーパズルは、画用紙に絵を描いて何枚かのピースに切ります

(あまり細かくするとパズルが完成できなくなるので注意が必要です)

100円ショップなどの白いジグソーパズルを使っても良いです)

SST 教材

SSTカルタを作ろう

迷路作り

大きめの段ボールを使って、迷路を作ります。

段ボールの中に迷路を作っていきます。

段ボールを縦長に切って壁を作っていきます。

傾斜を作ったり穴を開けたりドアを作ったりして、ビー玉が通れるようにします。

好きな飾りをつけたり、絵を描いたりして完成です。

レインボータイム

ボードゲームカードゲーム積み木ドミノ倒しボールゲームなど子ども達の好きな遊びを通して、順番やルールを守ったり、負けても感情をコントロールするトレーニングを行います。

遊びの内容は、はじめはスタッフが決めますが、慣れてきたら子ども達に決めさせます。(話し合い活動)

レインボータイムの例

ボードゲーム

SSTレインボーすごろく(オリジナルすごろく)

カード(4種類のカードがあります)

レインッボーカード:将来の職業を考えるきっかけになる質問が書いてあります。

「あなたは画家です。どんな絵を描きますか?風景画?人物が?」「あなたは社長です。どんな会社の社長になりたいですか?」など、様々な職業について考える機会を与えます。

アクションカード:色々なジェスチャーをしたり、身体を動かす指令が書いてあります。

「バスケットのシュートが決まったところ」

「ラーメンを食べているところ」

「スキップをしてみんなの周りを回る」など

場面カード:日常生活の中で、SST場面をかいてあります。

「友達の読んでいる本を見せてもらいたいときはどうする?」

「ゲームに負けそうです。腹が立ってきたときはどうする?」

「友達がからかってきました。そんな時どうする?」など

?カード自分自身のことに関しての質問が書いてあります。

「あなたの好きな時間はいつですか?その理由は?」

「あなたの好きな食べ物はなんですか?」

「あなたの得意なことはなんですか?」など

やり方

すごろくのスタートにコマを置きます。

サイコロを振って出た目の数を進みます。

止まったところのカードを引いて質問を読みます。

順番にサイコロを振ってゲームを進めていきます。

ゴールはないので、時間を決めて行います。

ルール

それぞれのカードに書いてある質問に答えます。

アクションカードでは、できない場合は「お助けマン」を頼んでも良いです。「お助けマン」と一緒にやります。

場面カードどうしたら良いかわからない場合も「ヘルプカード」を出して、「お助けマン」と一緒に考えてもOKです。

質問の意味がわからない場合は、先生や支援者に聞いても良いです。

レインボーラー

木の板を並べたり積み上げたりして、色々な物を作るゲームです。

沢山の同じ形同じ大きさ木の板を用意します。(500枚ぐらい)

木の板をドミノ倒しのように並べても良いし、高く積み上げても良いです。

はじめは11人が各々の作品を作っていますが、そのうちみんなの作品をつなげて大きな作品を作り始めることもあります。

1つのテーマ(街づくり、遊園地など)を決めてチームで分担して作ることができるようになります。

この他にもたくさんゲームがあります。市販のボードゲームを使っても良いし、自分たちで作ったゲームを使っても良いと思います。

子ども達の喜びそうな、興味を引く遊びをすることで、みんなと一緒楽しく遊ぶことができるようになります。

一緒に遊んで楽しかった!と感じることで、社会性が芽生えてくると思います。

一緒に活動して楽しい、面白いという体験が重なると、人との関わりを求めるようになります。そこで初めて、コミュニケーションの必要性を感じるようになってきます。

小さい頃から、楽しい経験を積み重ねることがとても大切だと考えています。

振り返り

今日の活動で楽しかったこと面白かったこと感想などを発表します。

スタッフが11人の良かったところを発表します。

レインボー塾の低学年SSTでは、中・高学年のような、理論を含めたSST(ロールプレイを見て考えを深めたり、自分たちでロールプレイをしたりする形のSST発達段階を考慮して行なっていません。

もっと体験的な活動を通して「こんなときはどうするか?」ということを学んでいきます。

例えば、ゲームをしている時にトラブルが起こったとします。

何が原因でトラブルになったのか

どうすればトラブルにならなかったのか?などをその場で考えていきます。

子ども達は、自分達の遊びの中で「こういう時は、こうしたら良いんだ。」ということを学び、それが中・高学年のSSTに活かされるようになります。

 

今回はレインボー塾の低学年SSTについて紹介しました。

レインボー塾では、まだまだたくさんの活動を行なっています。

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