第2話 とらネコ先生 カムバック(前編)住宅地のネコ仲間達

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とらネコ先生とレインボー塾の子供たちアイコン

私の愛するトラ猫「ミューニャン」が天国に旅立ってから1年が過ぎた頃、私の身体に異変が!なんと!私はとらネコ「ミューニャン」に変身してしまったのです!!

こうして、私は昼間は「レインボー塾」の先生(通称レインボーばあば)として、レインボー塾に通う子ども達を支援し、夜はとらネコ「ミューニャン」通称マダムM)として、猫の仲間達と一緒に暮らす毎日を送るようになりました。

ミューニャンの仲間達(住宅地の公園)

とらネコ先生になってから数日後の夜のことです。

9月の残暑が続いていて、昼間はまだまだ暑いのに、夜になるとめっきり涼しくなって、虫の鳴き声さえ聞こえて来ました。

私は住宅の公園に行ってみました。まだミューニャンの友達に会ったことがないので、どんな友達がいるのか興味があったのです。

何しろ毎晩のようにテラスから外に出て、一晩中帰ってこないこともあったのですから、きっと友達と楽しい時間を過ごしていたのでしょう。

夜の公園は、昼間の喧騒が嘘みたいに、元気に遊びまわる子ども達の姿もなく、静まり返っています。

ブランコやジャングルジムもシルエットになって、公園の街灯にぼんやりと姿を見せています。虫の鳴き声は一段と大きくなって、秋の訪れを告げています。

砂場の近くにあるベンチに誰かが座っています。

そーっと近づいていくと、ベンチには一匹の三毛猫がのんびり横たわって、尻尾をゆらゆら動かしています。私に気がついて、スックと座りました。

花姉さん
花姉さん

オヤ誰かと思ったら、マダムMじゃないか。ずいぶん久しぶりだねえ。どうしてたんだい?元気そうだけど、私たちはてっきり・・・

ジゴロ
ジゴロ

そうだよ。花姉さんの言う通り、遠くに行っちゃったんじゃないかって心配してたんだよ。

そう言いながら、鉄棒の陰から黒猫が現れました。とても精悍な顔つきです。

花姉さん
花姉さん

ジゴロ、私はそこまでは言ってないよ。

花姉さんと言われた三毛猫が、ベンチの上で毛づくろいをしながら言いました。

銀次
銀次

おっいたいた!ジゴロ、こいつ今日はうまく餌を見つけることが出来たんだぜ。なかなかのもんだ。

公園の藤棚の下から現れたのは、マダラ模様の痩せたネコと、アメリカンショートヘアーもどきの小柄なネコでした。

花姉さん
花姉さん

銀次、相変わらずマヤを鍛えてるんだねえ。

マヤも可哀想に。前は大きな家の飼い猫だったのに、引越しの時に置き去りにされて急に野良ネコになっちゃったんだもんねえ。餌の見つけ方から修行をしないと生きていけないからねえ。

花姉さんは同情するように言いました。

銀次
銀次

ところで、ベンチの下にうずくまってるのは、もしかしてマダムMか?そうだよなあ。この界隈でそんな巨大な腹を引きずってるネコなんてマダムMしかいないよなあ。

銀次が笑いながら言いました。全く失礼なネコです!

 

銀次
銀次

でも、マダムMをずいぶん長く見かけなかったから、もうあっちの世界に行っちまったのかと思ってたよ。

マヤ
マヤ

私マダムMって会ったことないと思うわ

とマヤが言うと

銀次
銀次

そりゃそうさ。マヤはまだ生まれてなかったんじゃないかな。

公園の水飲み場の方から、サバトラの、動きが凄く俊敏なネコがやってきました。

流星
流星

よおみんな、集まってるなあ。えーっ!まさかまさかのマダムM!びっくりしたなあ。生きてたのか?

次々に現れるネコ軍団に私はすっかり圧倒されて、目を見張るばかりでした。

花姉さん
花姉さん

流星、いつもながらカッコいいねえ。久しぶりにマダムMが来てくれたんだよ。嬉しいじゃないか。

流星
流星

そうだな。また前みたいに一緒に遊ぼうぜ。

私は、何か言わないとマズイと思いました。

ミューニャンにこんなに友達がいるなんて聞いてないよお。

マダムM(とらネコ先生)
マダムM(とらネコ先生)

みんな、久しぶりね。ちょっと遠くに旅行に行ってたから。みんなにまた会えて嬉しいわ。これからも宜しくね!

取り敢えず挨拶らしきことは言えたわ。

何しろミューニャンと違って、私にとっては初対面のネコ達だもの。だれが誰やら?

花姉さんは、どこかの飼い猫のような気品が漂ってるわ。毛並みも綺麗だし。

銀次は、よく見ると片目のネコで、顔つきや動作から長年ノラネコ生活を続けてきたみたい。

マヤは、前は飼い猫だったけど、今はノラネコ修行中の若いネコで、銀次に面倒を見てもらっているのね。

黒猫のジゴロは、ハンサムな顔立ちで、動きもシャープでキレが良いです。

ノラ仲間でもモテるんでしょうね。

流星は私と似ているトラネコですが、私よりグレーがかった毛並みです。

モチロン体型は全然似てませんがね。

流星は、何軒かの家の飼い猫のような存在だけど、基本はノラネコだそうです。

これは後から聞いたんですけどね。

花姉さん
花姉さん

モチロンよ。あなたの話はいつも面白いもの。何だっけ?レインボー塾に来る子ども達の話。いろんな子がいて飽きないわよね。

花姉さんがまたベンチに優雅に横たわって、手のひらの肉球を舐めながら言いました。

流星
流星

そうそう、ゲームをしててキレる子とか、予定が変わると固まってしまう子とか、本当に個性的で面白いよな。

流星が、シーソーに乗りながら言いました。

チョッとチョッと!ミューニャン。レインボー塾に通っている子ども達をどこかで見てたの?

さらに、このネコ仲間に話してたの?ビックリ!!

ジゴロ
ジゴロ

そうなんだ。レインボー塾の子どもの話は、サバイバル生活をしている僕たちにとっては癒しなんだよね。

ジゴロもベンチに寄ってきて言いました。確かにサバイバル生活を送っている動きです。

マダムM(とらネコ先生)
マダムM(とらネコ先生)

ありがとう、みんな。またレインボー塾の子ども達の話をするね。

私はネコ仲間が集まっている公園を後にしました。

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